ホットプロジェクト
社会インフラの維持管理における私たちの活躍(橋梁補修設計、UAV構造物点検)
中国支店 防災課 グループリーダー 2015年入社
我が国の社会インフラ(橋梁・道路トンネル・漁港港湾・海岸など)は高度経済成長期に集中的に整備され、昨今で急速に老朽化が進んでいます。実際に老朽化した構造物が崩落し、それに伴う事故も発生しています。弊社が活躍する分野は、社会資本リスク事業の中でも道路・港湾などの産業基盤の社会資本であり、国民福祉の向上と国民経済の発展に必要な公共施設を対象としています。社会インフラの老朽化問題への対策として、私たちは施設の点検や調査、長寿命化計画を通し、将来にわたって適切に維持管理できるような仕事に取り組んでいます。私のホットプロジェクトとして、私が携わっている橋梁補修設計とUAVを用いた構造物点検について紹介します。
橋梁補修設計での取り組み
老朽化した橋梁における適切な点検、詳細調査の計画実施から、劣化要因の究明までを行っています。そして、究明した劣化要因を取り除くための対策工法の検討、補修図面の作成、数量計算、概算工事費の算出、施工計画の立案まで一貫した対応を行っています。
私たちの強みは「補修設計を担当する技術者が設計目線で現地調査を実施」することです。例えば、橋梁の桁端部では橋面から流れ落ちる土砂が溜まってしまい、湿潤環境になるため、損傷が発生しやすいと言われています。特に狭隘部では土砂が隙間なく堆積していることもあり、土砂を撤去しないと主構造(主桁、支承部など)の損傷が確認できないことがあります。
また、土砂が溜まる原因は何かを考え、土砂が入り込んでくる要因と思われる伸縮装置部の異常も併せて調査します。
このように、隠れている損傷はないか?見落としている箇所はないか?損傷要因は何か?どのように補修したらよいか?を常に意識して現地調査を行っています。そして現地調査で得た情報を基に、適した補修工法の選定・提案資料を作成していきます。また、視覚的にわかりやすい補修図面の作成や、現地状況(桁下環境・周辺環境)を踏まえた施工計画の立案を提供することに努めております。
UAVを用いた構造物点検
社会インフラ構造物の調査において新技術の導入が進んでおり、弊社でもUAVを用いた構造物調査に取り組んでいます。
UAVの飛行技術に特化した企業はたくさんありますが、弊社の強みとしては、構造物を理解し、業務成果をイメージできる技術者がUAVを操縦できることです。
私が所属する中国支店では2022年に、橋梁点検に特化した機種として「Skydio2+」を導入しており、橋梁点検において活躍するなど、UAVを用いた構造物点検の実績を積み上げています。
導入初期は、「いかに効率よく撮影するか」ではなく、今後の業務展開に向けて「操縦、撮影、解析技術の向上」を重要視し、構造物点検でのUAV活用方法を模索してきました。結果として、UAV点検の限界と可能性の線引きをはっきりさせることが重要であると分かりました。UAVを一つの点検ツールとして社内で確立させ、「従来点検(近接目視)とUAV点検との両方で対応可能です!」とアピールできる企業になっていきたいと考えています。