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流量観測に対する新規取り組みについて
東京支店 環境部環境課 2016年入社 弊社は多摩川にて流量観測業務を10年以上受注し、調査を行っています。 これまで蓄えた経験をもとに地域の河川特性をよく知る地元のコンサルタントとして、STIVという新たな観測手法の検証・運用を行い、より精度の高いデータの取得や知見の獲得を目指しています。
流量観測について 流量観測は、河川の水位が低い時を観測する低水流量観測と台風や前線による降雨の影響で河川が増水して水位が高い時を観測する高水流量観測の2つに大きく分けられます。 とりわけ高水流量観測の従来手法は、河川に浮子と呼ばれる目印を投げ込み、一定距離を流れる時間をストップウォッチで計測するという原始的な方法が現在でも一般的です。この浮子による流量観測(浮子法)は、調査に際して多くの人員を必要とするとともに1回あたりの観測時間も長時間となるため、手間のかかる調査になります。また、洪水に観測することが多く、安全面の観点からも別の手法での計測が求められています。
従来手法に代わる弊社の新規取り組み 従来手法に代わる計測方法として、河川の流れを撮影した動画から流速を測定するSTIV法による計測方法に取り組んでいます。 STIV法は画像解析を用いた流量観測手法で、撮影された河川の動画から流下物(ゴミや草等)や波紋の動き(動いた時間と距離)から河川の表面流速を測定する技術です。この手法のメリット・デメリットとしては、以下の点が挙げられます。 【メリット】 ・計測時間が短い(1回30秒程度) ・必要な調査員が少ない(無人での計測も可能) ・河川に近づかなくても計測が可能 ・計測時の河川状況が映像記録として残る(根拠資料) 【デメリット】 ・河川の表面が乱れる事象に弱い(流れと逆から風が吹く等) ・夜間等暗い状況では計測することが難しい 弊社では、最終的に高水流量観測にて観測を実施に向けて、従来手法との精度確認や実際の調査で生じる課題の解決を目指し、低水流量観測にて試行調査を実施しました。 低水流量観測では、従来手法として電磁流速計による観測とSTIVによる観測を実施し、測定した流量の精度確認を実施しました。精度確認の結果、従来手法と同等の値を算出できていることがわかりました。また、水面が日の光で反射した状況や小雨等で波紋が乱れている状況等の悪条件下でも精度よく観測できることがわかりました。 今後の流量観測について 低水流量観測でのSTIVによる測定は十分な精度で観測が可能であることが分かったため、現在は、本命である高水流量観測での適用を目指して業務を通し研鑽を積んでいます。 また、STIVに限らず、対象の河川に応じて適切な観測手法を選択できる「現場に強い」日本ミクニヤを目指し、経験と新たな技術の研鑽をしていきます。